こんにちは!
まるんてです!
僕は2018年5月に「急性リンパ性白血病」と診断されました。
そこから2年間の治療を経験しています。(2020年6月、治療終了)
「一度どん底に落ちた人は強い」という言葉、皆さん聞いた事があると思います。
ただ僕がどん底に落ちた体験からすると、この言葉は半分あっているけど、半分は間違っていると思います。
僕は自分の治療が落ち着いてきた頃、ちょうど水泳選手の池江さんが水泳を再開したニュースがありました。
このニュースを見て僕は本当にすごいと思いました。
ただ僕は時々、「池江選手は頑張ってるよ」みたいな言葉を何度か言われました。
そう言われ始めた頃は、僕も頑張ろうと思い行動してみた事があるのですが、すぐに諦めてしまった経験があります。
みんながそんな急に強くはなれないです。
今回は、僕がどうしてこの言葉の半分が嘘だと思うのか、
そして僕が病気になった事で知れたみんなに伝えたい事を、自分の経験から書いていきます。
僕は「どん底」に落ちて死にかけた
まずは人によって「どん底」という言葉の意味や基準が違うと思います。
そこで、ここでは僕が考えるどん底について書きます。
僕は白血病や重症の急性膵炎になった事で、「死ぬかもしれない」経験をしました。
さらに、半年間だった予定の入院生活が、副作用で膵炎になってしまった事によって2年間に延長してしまった事で、大学を退学する事になってしまいました。
今までずっと健康で普通に生きていた僕が、急にこのような事になってしまった事を考えれば、十分「どん底」を経験したと言ってもいいと思っています。

同じ「白血病」でも人によって症状が違う
まず僕が言いたいのは、「白血病を克服したんだからもう辛いもの無いでしょ」、「○○さんは癌になってもすぐに頑張ってるよ」みたいなセリフを簡単に言わないでほしい。と言う事です。
僕は実際に、このような言葉を何度か言われた事があるのですが、正直めちゃくちゃ面倒です。
悪意があるわけでは無いだろう事は分かるんですが、それだけに僕もなんとも言えない。
実際、水泳の池江さんのように、元気になったらすぐに頑張っていける人もいます。
(とはいえ、TVではそんな感じに見えるけど、やっぱり本人は結構キツイのではと思います。)
同じ白血病を経験した僕が考えるに、治療開始から2年は薬の内服があるはず。
それなのに毎日バキバキにトレーニングをしているとなれば、本当に凄すぎます。
その頃の僕は、よく体がだるくて寝たきりの日が頻繁にありました(笑)
同じ白血病という名前でも、みんなそれぞれ違った症状が出ます。
僕の入院は2年間だったけど、それ以上の入院をしている患者さんもいます。
僕が治ったからと言って、他の患者さん全員が必ず治るわけではありません。
また他の患者さんが治ったから、僕も必ず治るという保証はどこにも無いのです。
今ではそのような事を言われても、「その人はそうだね、すごいよ。でも俺にはきついわ。」と、心の中で適当に流せています。
でも当時の僕は、そこまでドライに流す事ができませんでした。
- 自分の中に同級生と比べると置いていかれている焦り
- 同じ白血病になったオリンピック選手も頑張っている
- 周りからも急かされる
あの頃の自分では気が付かなかったけど、精神的に追い詰められていたのかもしれないです。
別に病気が治ったからってすぐに何かを頑張らなくてもいいと思います。
それよりも病気になる前の状況に戻せるように頑張るべきです。
全ては健康な体があってこそですからね。
全員がそんな急にすごい人になれない
ここからは僕の白血病治療が山を越えてからの経験談を書こうと思います。
僕が20年間生きてきた中でこんな辛い経験は無かったし、これからの人生でこの辛さを越える出来事にはそうそう出逢わないと思っています。
そう考えれば、これからの僕にはなんでも出来ると思っていた時期もありました。
でも現実は違くて、僕は完全に調子に乗っていただけでした。。。
大きな治療が終わってからの僕は、急に意識高い系になっていました。
お金を稼げる副業についてめちゃめちゃ調べて、プログラミングをやってみたりしました。
「初心者でも稼げる!」みたいな動画やネット記事をたくさん見ました。
それからはとりあえず、2週間ほどはプログラミングの勉強をしました。
僕の好きなゲームもせず、真剣に2週間ほどやっていれば「まあちょっとくらいはできそう」くらいにはなれました。
でもいざ稼いでみようと思って、ネットで僕にもできそうな仕事を探してみました。
そこで初めて、他にも僕のような人が結構いる事を知りました。
1番簡単そうな発注に、60人くらいの人が受注希望をしていたんです。
僕も何回か申し込んでみましたが選ばれません。
それもそのはず、発注者は実力のある人にやってもらいたいはず。
こんなテスト前の徹夜勉強だけのような付け焼き刃の実力では何もできませんでした。
そこでプログラミングで稼ぐには、もっと知識や実力が必要だし、仕事をゲットできる営業の能力も必要だと分かりました。
僕はやっとここで「そりゃ誰でもこんな簡単に稼げたらみんなやってるよな」とやっと冷静になって、プログラミングは諦めました。

どん底に落ちてメンタルは強くなった
病気になって、その後にこんな経験をしてから、メンタルは強くなりました。
そして僕のメンタルが強くなったのは、周りの人と自分を比べすぎないようになったからです。
僕は生還できた事で調子に乗って、自分はすごいと勘違いしていました。
ちょっとネットを見るとすごい人がたくさんいます。
僕もそんなすごい人になりたいなと思っていました。
ただそれは結局のところ他人。
自分を周りと比べていると、上には上がいて疲れてしまいます。
せっかく生かしてもらった命です、僕は無理しすぎずにマイペースでやっていこうと思っています。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回僕が伝えたかったのは、
- 同じ白血病でも、患者さん事に症状やツラさが違う事
- 「癌になった~さんは頑張ってる」はそこまで気にしなくていい事
- 自分を周りと比べなければ、気持ちが軽くなる事
白血病になった事はもちろん嫌な事ですが、そこから学べた事もまだまだたくさんありました。
そう言った意味では白血病になってよかったなと思えています。
これからも患者体験を通じてわかった事や、僕がみんなに共有したいと思った事を書いていこうと思います。
読んでいただきありがとうございました。
ばいにゃら!
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